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介護現場のコミュニケーションがうまくいかない理由                  ― 言葉・非言語・言葉の意味から考える支援の本質 ―

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2026.03.17

介護現場では同じ声かけでも結果が変わることがあります。その理由は言葉だけではなく、表情や態度などの非言語コミュニケーション、
そして言葉の意味の共有にあります。介護コミュニケーションの本質を支援現場の視点から解説します。


介護コミュニケーションは言葉だけではない

介護の現場では、

同じ声かけをしているのに結果が違う、という場面に出会うことがあります。


ある職員には笑顔で応じてくれるのに、

別の職員には怒ってしまう。


話を聞いてもらえない。


支援者としては

「なぜ自分だけうまくいかないのだろう」

と感じてしまうこともあるでしょう。


しかし原因は意外とシンプルかもしれません。


コミュニケーションは

言葉だけで成立しているわけではないからです。



言語コミュニケーションと非言語コミュニケーション


コミュニケーションは大きく分けると二つあります。


言語コミュニケーション

言葉によって意味を伝えるもの


非言語コミュニケーション

表情・視線・姿勢・声のトーンなど

言葉以外で感情や態度を伝えるもの


昔のギャグで


「どうもすみませんでした!」


と言いながら、

全く謝っていない態度をするものがありました。


言葉は謝罪。

しかし態度は不満。


つまり相手に伝わるのは

非言語の方なのです。


介護現場でも同じことが起きています。


同じ言葉でも


・表情

・視線

・声のトーン

・距離感

・関係性


これらによって、利用者に伝わる内容は変わります。


だから結果も変わるのです。



「伝えた」と「伝わった」は違う


自分の考えを伝えるとき、

私たちはほとんどの場合、言葉を使います。


言葉は便利です。


しかし同時に、

とても曖昧な道具でもあります。


例えば料理の話。


「少し塩味を足したいから、ひとつまみ入れてください」


料理用語としての「ひとつまみ」は

親指・人差し指・中指の三本でつまむ量です。


しかし人によっては

二本でつまむ量をイメージするかもしれません。


その結果、


言われた通りにやった人

味が足りないと感じた人


どちらも間違っていないのに

ズレが生まれます。


コミュニケーションの多くは

この前提のズレの上で行われています。


私たちはつい


・伝えた

・説明した

・言った


という事実だけで

理解されたような気になってしまいます。


しかし本当は


言葉を使った瞬間から

ズレは生まれている


のです。


言葉の意味を知ることの大切さ


私は以前、ある先生から


「生活とは何ですか?」


と問われたことがあります。


説明しようとして、

私は言葉に詰まりました。


先生はこう教えてくれました。


「生活とは、生きるための活動」

そして

「生命が活き活きしてこそ生活」


とても簡潔で、

心に残る言葉でした。


それ以来、私は

言葉の意味を調べるようになりました。


例えば


介護とは何か


私の解釈はこうです。


介護とは

自分だけでは生活を守りきれなくなったとき

他者がその生活に介在すること


そして


福祉とは

社会として大きな問題が起きない状態を支えること


この二つが合わさったとき

介護福祉士という専門職の姿が見えてきます。


専門的な知識と技術を持ち

その人の生活に介在し

生活が崩れないよう支える。


それが介護福祉士という仕事です。


介護現場で結果を安定させるために

介護現場には

効果的な声かけがあります。


しかし

同じ言葉を使っても

同じ結果になるとは限りません。


理由は単純です。


伝わっているものが違うからです。


結果を安定させるためには


・どんな言葉を使うか

・どんな表情で伝えるか

・どんな関係性で関わるか


これらすべてが影響します。


支援者にはそれぞれの関わり方があります。


接遇マナーは

最大公約数の型を教えてくれます。


しかし現場では

オリジナリティも必要になる場面があります。


チームリーダーがこの視点を持つことで


・スタッフの個性

・利用者との相性

・関係性


を踏まえた柔軟な対応ができるようになります。


人間関係は技術にできる


「褒めて伸ばしてください」


「ビシビシお願いします」


こうやって

自分の取扱説明書を教えてくれるスタッフもいます。


人によって


・言葉

・非言語

・関わり方


は違います。


それを理解して関わることで

人間関係は安定します。


これは計算高いことでも

あざといことでもありません。


大切な人との関係を守る技術です。


自分の感情に任せるのではなく

技術として扱うことで


支援者自身の

「揺らぎ」もコントロールしやすくなる


のです。




まとめ


介護現場のコミュニケーションは

言葉だけでは成立しません。


大切なのは次の三つです。


・言語コミュニケーション

・非言語コミュニケーション

・言葉の意味の理解


この三つが揃って

初めて支援者の思いは形になります。


コミュニケーションとは

「伝える技術」ではなく


前提をすり合わせる営み


なのかもしれません。


介護とは

その人の生活に介在する専門職。


だからこそ

言葉の意味を知り

相手の前提を想像し

関係を築いていく。


その積み重ねが

支援の質を作っていくのだと思います。

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