介護現場でよくある悩みの本質とは?
介護の知識
2020.03.23

認知症・行動・人間関係を理解する「介護者の心構え」3つの視点
はじめに
介護の現場では、こんな場面に出会うことがあります。
・利用者から「泥棒」と言われる
・何度も立ち上がる利用者にイライラする
・次々と頼みごとをされて疲れてしまう
どれも“よくあること”ですが、
対応を間違えると、支援も人間関係も崩れていきます。
この記事では、現場経験から見えてきた
これらの出来事の本質を、わかりやすく解説します。
① なぜ認知症の方は「泥棒」と言うのか?
認知症の方から「お金を盗んだだろう」と言われたとき、
理不尽さや戸惑いを感じた経験はないでしょうか。
しかし、この言葉には“意味”があります。
■ 行動の裏にある心理
認知症の方は、できていたことができなくなる中で
強い不安や喪失感を抱えています。
その中で起きるのが「自尊心を守る働き」です。
・世話をされる自分を認めたくない
・主導権を失いたくない
その結果、
「この人はお金を取っているから世話をしている」
「私は分かっていて任せている」
という“自分を守るための解釈”を作り出します。
■ ポイント
これは攻撃ではなく、
**自分を守るための心の働き(心理的防衛)**です。
② 「立ち上がる利用者」はなぜ止まらないのか?
転倒リスクがあるのに、何度も立ち上がる利用者。
現場では非常に多い場面です。
■ よくある対応
・危ないから止める
・座っていてくださいと伝える
しかし、それでも行動は止まりません。
■ 視点を変える
重要なのは
「なぜ立ちたいのか?」
という行動の意味です。
例えば
・トイレに行きたい
・落ち着かない
・身体を動かしたい
など、理由はさまざまです。
また、本人の自己認識が現実と乖離している点
側からは「歩くことすらままならないおじいさん」ですが
本人の自己認識では「まだまだ歩けるおじさん」となっている
「危ないですよ、また転びますよ」
このような声掛けに対して
「年寄り扱いするな!俺はまだまだやれる!」と
本気で思ってたりします
これは50歳になった私自身もよく感じます
■ もう一つの問題
実はここで起きているのは
利用者の問題だけではありません。
支援者側の
・業務を優先する思考
・これまでの経験による判断基準
これらが重なり、
「理解の前提のズレ」が生まれます。
■ ポイント
問題は行動ではなく、
見ている視点の違いです。
③ なぜ頼みごとが続くとイライラするのか?
「これもお願い」「あれもお願い」と続くと、
思わずイライラしてしまうことがあります。
しかし、
自分から「他にはありますか?」と聞いた場合、
同じ状況でもイライラしにくくなります。
■ この違いの正体
それは「主導権」です。
・頼まれる → やらされている感覚
・自分から聞く → 自分で選んでいる感覚
この違いが、感情に大きく影響します。
■ 利用者側の心理
利用者は
・今言わないと忘れるかもしれない
・何度も呼ぶのは申し訳ない
という不安の中にいます。
■ ポイント
「他にはありますか?」と先に聞くことで
・利用者の不安が減る
・支援者のストレスも減る
という関係が生まれます。
まとめ|介護の問題は「人」ではなく「構造」で起きている
今回の3つの事例に共通しているのは
・行動だけを見ると問題になる
・背景を見ると意味がある
という点です。
つまり
問題は人ではなく、関係性や構造の中で生まれている
ということです。
介護の質を高める3つの視点
現場を良くするために大切なのは
① 行動を正そうとしない
② 感情の位置を探る
③ 背景の構造を理解する
この3つです。
おわりに
私自身も最初から理解できていたわけではありません。
・「泥棒」と言われて戸惑ったこと
・利用者を業務の邪魔だと思ったこと
・イライラを抑えられなかったこと
すべて経験してきました。
だからこそ今は、
「この行動の奥に何があるのか?」
と考えることを大切にしています。
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